2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

2013年11月10日   書き換えによる習作5日目

芥川龍之介のオリジナル 五 我 彼は彼の先輩と一しよに或カツフエの卓子テエブルに向ひ、絶えず巻煙草をふかしてゐた。彼は余り口をきかなかつた。が、彼の先輩の言葉には熱心に耳を傾けてゐた。 「けふは半日自動車に乗つてゐた。」 「何か用があつたのです…

2013年11月9日   書き換えによる習作4日目

芥川龍之介のオリジナル 三 家 彼は或郊外の二階の部屋に寝起きしてゐた。それは地盤の緩ゆるい為に妙に傾いた二階だつた。 彼の伯母はこの二階に度たび彼と喧嘩をした。それは彼の養父母の仲裁を受けることもないことはなかつた。しかし彼は彼の伯母に誰よ…

2013年11月8日  書き換えによる習作3日目

芥川龍之介のオリジナル 二 母 狂人たちは皆同じやうに鼠色の着物を着せられてゐた。広い部屋はその為に一層憂欝に見えるらしかつた。彼等の一人はオルガンに向ひ、熱心に讃美歌を弾ひきつづけてゐた。同時に又彼等の一人は丁度部屋のまん中に立ち、踊ると云…

2013年11月7日 書き換えによる習作2日目

芥川龍之介のオリジナル 一 時代 それは或本屋の二階だつた。二十歳の彼は書棚にかけた西洋風の梯子はしごに登り、新らしい本を探してゐた。モオパスサン、ボオドレエル、ストリントベリイ、イブセン、シヨウ、トルストイ、…… そのうちに日の暮は迫り出した…

2013年11月6日 書き換えによる習作

芥川龍之介の「或阿呆の一生」を書き直すことで文章を訓練してみようと思いました。 まずは芥川龍之介のオリジナル 或阿呆の一生 芥川龍之介 僕はこの原稿を発表する可否は勿論、発表する時や機関も君に一任したいと思つてゐる。 君はこの原稿の中に出て来る…

2013年11月5日  書きかけた小説『幻想の彼方へ』について

僕は大学を卒業する年、村上春樹の小説「ノルウェイの森」の元となった短編「蛍」をベースとした初めての短編小説を書き、 その後社会人になってから恋愛小説、サスペンス、SFといった短編小説をいくつか書いた。 そしてその後しばらくして長編小説にとり…

2013年11月4日 公園を散歩のつづきと 日常、非日常

「君は自分が読みたいから書くというが僕の場合は違うな。僕は誰かに自分のことを伝えたいから書く。」 君といると僕はつい自動小銃みたく言葉を連射してしまう。会社にいるとあまり話さず、静かな方なのだが大学時代の友人の君といると大学生の頃の僕がが蘇…

2013年11月3日    公園を散歩

僕と大学時代の友人の彼は二人で都内一大きな公園を歩きながら色々なことを話した。 僕らは大学卒業後、共に就職し、彼は一度会社を辞めていた時期もあったが同じ頃に結婚し、共に子供が生まれ家を買い、ローン返済のために会社に通うサラリーマン同士だ。 …