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2015年6月13日 将棋の羽生さんが若い時に書いた意欲作

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 僕は将棋はかなり弱いがプロの将棋を見たり、定跡や戦法の本を読んだりするのは好きだ。最近は電王戦と言ってコンピュータがプロと団体戦をしたりして話題になっているが、将棋もゲームという広義の範疇で論ずれば完全情報ゲーム(正確には二人零和有限確定完全情報ゲーム)という括りになり、突き詰めれば必勝法が存在するか必ず引き分けになるかのどちらかになるはずのゲームだ。(◯ゲームを思い浮かべればいい。将棋もその延長と捉えられる。)

 と言っても長い将棋の歴史でもちろん必勝法など見つかっていないし、例えば矢倉という限られた戦法の序盤においても決まった定跡があるわけではない。それほど将棋はパターンの枝分かれが多い。(10手先で100億通りと言われる)

 僕も若い頃、手軽に勝ちたくて定跡の本を読んだが結局相手が本の通りに指してくれなくていつも負けていた。(笑)定跡もなん億というパターンの中の一握りに過ぎないだ。その後、読んでも勝てないからという理由で定跡の本は読まなくなってしまったが序盤の全ての変化を論じようとしている本があると聞き、羽生さんの本を読んでみた。

 普通、定跡本は数100ページで3,4通りの戦法を書くので指し手の枝分かれせずに一本道で中盤まで行き「先手有利」で終わるのだが羽生さんの本はなんと3手目から枝分かれし、分かれた3パターンでなんと2冊、都合500ページくらいになる大考察の大著なのだ。普通の人が「ここは定跡だから」と通り過ぎるところを「こう指したらどうだろう」と論じ初め、そこから20手くらい先まで論じた挙句「やはりここは定跡の方がいい」と元に戻ったり「こういう急戦も一局」と新たな発見があったりする。

 羽生さんが100人いたら必勝法を発見できるのではないか?と思ってしまうくらいの初心、探究心に満ち満ちた本です。

変わりゆく現代将棋 上

変わりゆく現代将棋 上

 

 

変わりゆく現代将棋 下

変わりゆく現代将棋 下