2019年12月28日 山田詠美の短編にヤラれました

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 まだ20代の頃買った恋愛短編集「贅沢な恋愛」 その頃の人気作家8人の短編が並んでて山川健一とかは読んだんだけど山田詠美さんの「雨の化石」という短編は読んでなくて先日読んだらこれがすごく胸に突き刺さった。
 雨宿りをしてる見知らぬ者同士、若い男の子が人妻と会話して彼女が泣いてしまい思わずキスしてしまうところから二人は恋仲になるんだけど他の短編が小道具的にブランド物を使ってるのとは正反対に一切そういう人工物が出てこなく出てくるのは雨に光る蜘蛛の巣とか自然のもののみ。恋愛感情を表す言葉もストレートで簡単で詠美さんの純粋さを感じる。

 山田詠美は黒人との恋愛というイメージがあったけどこの短編は日本人だし澄んだ水を飲んでる感じがしてとても心地よかったです。