2014年1月31日  数学は学問の王様か?

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  ギリシャ時代、哲学こそが学問の王様だった。

 産業革命以降、科学が発展し、数学を全ての学問の基礎に据えようとする動きもあった。

 確かに理科系で言えば生物学は化学に支えられ、化学は物理学を基礎とし、物理学は物理数学というくらい数学が無いと成り立たない。そういう意味では理科系の王様は数学かもしれない。

 一方で文化系は文学論、言語学歴史学文化人類学、心理学、経済学などを横通しする学問として哲学があり、物の考え方、全体像という意味では哲学が王様なのかも知れない。

 数学も20世紀に入ると数学の各分野全体を統括する数学基礎論が発展し、ゲーデル不完全性定理などが脚光を浴びた。

 数学もつまるところ数式を用いた人間の考え方、ものの見方、世界の捉え方のまとめと言えるが実は不完全性定理の考え方も歴史的に見れば言語学などの哲学から影響を受けているのかも知れないと柄谷行人の「内省と遡行」を読んで思った。

 数学も純粋科学のようで実は人間の考え方のクセや歴史的背景に影響されているのだと思う。