読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2013年12月22日  「My Song」 第2回

昔書いた小説

http://www.flickr.com/photos/59328597@N00/436499396

photo by Retinafunk

 第一回からちょっと間が空いてしまいましたが第二回です。

 

 僕はそんな中で二年先輩の早稲田の数学科に通っている長尾さんという人と親しくなった。ある日、長尾さんが僕の部屋にやってきて

 「おまえ、確かICUだったよな」と聞いた。

 「そうですけど」と僕が答えると彼は

 「じゃあ、英語、得意だよな」と言った。僕が

 「はい、まあ」と答えると彼は

 「じゃあ、これ悪いけど訳してくれないか。明日、授業で当たってるんだ」と言った。

 

 そんな訳で僕は長尾さんの代わりに英語の訳をすることになった。

 次の日、彼が来て言った。

 「お前、すごいな、教授がびっくりしてたぜ。なにせ教授の答えとぴったり同じなんだからな」そう言って彼は笑った。

 「そうそう、お礼に今晩、夕飯ごちそうするからネクタイ締めてこいよ」

 その晩、僕と長尾さんは六本木のイタリア料理店「ボルサリーノ」でとても豪華な食事をした。

 「いいんですか、こんなとこ来て」と僕は真剣に心配になって言った。

 「いいんだよ。それはそうと、これからも英語、頼むぞ」

 こうして僕と長尾さんは友達になった。

 

 長尾さんはとてもおしゃれな人だった。週に2日しか授業に出ないで、あとは青山とか表参道とかをうろついて服や靴を物色したりという生活を送っていた。ある日、長尾さんは僕をブティック巡りに連れて行ってくれた。

 「このジャケット、いくらしたと思う?」

 「わかりませんよ、そんなの」

 「十四万」

 「うひゃー。生活費無くなっちゃうじゃないですか」

 「二ヶ月分のバイト代がパーだよ」

 その後で僕と先輩は立ち食いそば屋できつねうどんを食べた。

 (つづく)