2013年12月13日  昔書いた詩(Pure)

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photo by desegura89

 こちらは20代前半に書いた詩。

 梶井基次郎の「檸檬」とかエレファントカシマシが好きでした。

 

      『PURE』

 

  それを純粋というのかい?

 

  忘れかけていた生のレモンの香り。

 

  表現することすらできない。

  表現する手段さへ持たない。

  表現する対象さへいない…俺には

 

 いったいどこへこの気持ちを投げかけたらいいんだ?!

 

  道を踏みはずすまいと

  先人の言ったことばかり気にして

  真面目にやれば、それでいいのか?!

 

  心に秘めたままで、決して誰にも言わない。

  そういう自分勝手がpureな心なのか

 

  狂気に走ってしまいそうになる。

  そんな時、社会的規範が気になってしまって

  それ以上、踏み込めない俺、

  踏み込んでしまった奴らは純粋じゃないとむいうのか?

 

  狂気への入り口の前では

  誰もがみな一人なんだ

  ふだんは怖くてのぞこうともしない

  一人になるのが嫌だから

 

  そうして皆、だんだんと調子っぱずれになって行くのさ

  見てごらん、ガタガタになった奴等を

  もうどの鍵盤をたたいたって音さへ出ない。

 

  自分を追い詰めて、不純物を取り除いて行くと

  誰にも理解されなくなってしまうことは予想がつく。

 

  でも、うわべだけをつくろって、皆とたわいのない話をして

  お茶を濁そうだなんて

  それじゃあ、いつの間にか腐ってしまうに決まっている。

 

  外に出ればいろんなことが僕の心をかき乱す。

 

  TUNING TO MY OWN WAVE

  君のことだって忘れてしまえるさ

  誇大妄想と言われたって

 

  ピアノだって調律しなけりゃ美しい音が出せないように

 

  僕にだって耳を澄ませる時間が必要なのさ

 

  そして、空に響くようなコードがハモったら

  そしたら、君のところへ出かけて行こう

 

  レモンの香りが消えないうちに

  余計な着色料や酸味料が入り込まないうちに……