2014年1月10日  感性の鋭さと文学的体験について

書き溜め用です。

 

2013年11月10日  感性の鋭さと文学的体験について

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 若い時は感性が鋭いのかもしれないが、何分それはかなり一人よがりで自分中心な感性だと思う。まあだから尖ったものが表現できるのかもしれないし、歳を重ねると他人の気持ちはわかるが鋭いものは感じなくなるという二律背反なんだろう。

 僕は若い時、モノを創る人こそが感性の鋭い人だと思っていた。ミュージシャンや詩人、小説家、絵描きとかアートに関わる人が感性が鋭くて逆にサラリーマンなんて感性の鈍い典型だと。

 でも今はそうは思わない。モノを創る人は「表現欲求」は強いかもしれないが必ずしも感性は強くないのだと。

 そして普通の中高生やサラリーマン、OL、主婦の中にも表現こそしないがとても研ぎ澄まされた感性を持っている人がたくさんいるということを。

 将棋の羽生がいみじくも言っていた。「将棋プロは頭が切れる人ではない。一つのことを長く続けられる人だ」と。

 そう、一つのことを長く続けることが大事なのだが、煌めくような感性の爆発を経験している人はこの東京にも幾千万人もいるのであり、文学を知らない人がより文学的な体験をすることも十分あり得るのだということも事実なのだ。